豪華客船『ふじ丸』に乗って小笠原諸島沖の洋上で皆既日食を観測しました。
小雨の姫路港(兵庫県)を出港して2日間を要して皆既日食帯の小笠原諸島まで南下しました。皆既日食前夜まで曇天の太平洋をひたすら航行しました。前夜、星空を見るまでは とても不安な気持ちでした。皆既日食当日の朝、高層雲は あるものの晴天。皆既食帯へ向かう船の近くに積雲が散在。スコールが見えます。ドキドキしながら 雨雲レーダーと目視から船長の判断で雲のない晴天域の皆既食帯へ船を航行させました。
皆既日食中は 快晴の状態でした。
見渡す限り太平洋で 月の影が洋上を走る様子や周辺が夕焼けのように赤く染まる風景、皆既食中の星(星空と月と太陽が全て見える)、シャドーバンド(月の影が移動する時に波打ちながら移動する様子)気温の急低下(約10℃)等、写真『黒い太陽』1枚で表現できない事象が短い時間に起こります。
まるで夢を見ているような不思議な感覚です。あえて言葉で表すなら『神のマジック』です。
皆既日食は 見るものではなく 五感で体感するものだと 実感しました。
皆既日食観測の翌日、父島に上陸しました。
父島には さんご礁保護の為、 『ふじ丸』クラス以上の船は直接、着岸できません。沖合いに係留されて 小型の渡し舟(ボート)が港と『ふじ丸』とを何度も往復して乗客は上陸します。
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午前中は 国立天文台VERA小笠原観測局の見学。午後は枕状溶岩を海上から見学。
二見湾の海岸で 実際に膝まで海に入り遊んだり、港の近くを散策したりしました。
父島で楽しく一日過ごした後、『ふじ丸』に戻り 姫路港(兵庫県)への帰路に着きます。
途中、太平洋上に『そうふ岩』という不思議な景色に遭遇。
鳥島を通過して 潮岬沖から紀淡海峡を経て2日を要して無事、帰ってきました。
この皆既日食が一期一会の現象であり、豪華客船『ふじ丸』に乗船する事、ふじ丸で出会った人々、父島で出会った人々、すべてが一期一会の出会いでした。
国立天文台VERA小笠原観測局 二見港に入港中の『おがさわら丸』
枕状溶岩 第二次世界大戦時に沈没した船
天文台近くの展望台より 画面中央に スコールが 写っています。
日時 | 内容 | 場所 |
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2030年 6月1日 | 金環日食 | 北海道 |
2035年 9月2日 | 皆既日食 | 中部〜関東の一部 |